切り口が問題を変える
2026年2月26日銃・病原菌・鉄 × ない仕事の作り方 × 冷間鍛造の不良分析3 min read
切り口
抽象化
製造現場
ジャレド・ダイアモンド
みうらじゅん
ジャレド・ダイアモンドは「なぜヨーロッパ人が征服したのか」という、みんなが当たり前に立てていた問いそのものをひっくり返した。征服した側ではなく、大陸の地理や生態系という、誰も注目していなかった方向から文明の差を見た。みうらじゅんは、誰もが目にしていたのに誰も名前をつけなかった現象に「ゆるキャラ」「マイブーム」という言葉を与えて、カテゴリごと発明した。物産展の片隅にいた着ぐるみは、名前がつく前と後で何も変わっていない。変わったのは見る側の目だ。
二人に共通しているのは、みんなが同じ方向から見ている場所に立たなかったことだと思う。
製造現場でも、不良が出れば原因を調べて対策を打つ。それは必要なことだし、自分も日々やっている。ただ、個別の不良を一つずつ潰していくだけでは、いつまでも同じ地平にいる気がしている。ある製品で起きた問題と、別の製品で起きた問題を並べてみたとき、その奥に共通する構造的な何かが見えないか。個別の事象を抽象化して、もう一段上から眺める目を持てないか。ダイアモンドやみうらじゅんがやったのは、まさにその視点の移動だった。
同じものを見ていても、切り口が違えば見える景色はまるで違う。